アンチクールビズ?スーツ・ネクタイに回帰する人が増えている?|ビズメン

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2016年3月1日
アンチクールビズ?スーツ・ネクタイに回帰する人が増えている?

クールビズの季節に移行していく季節です。しかし、スーツやネクタイに回帰している人が増えているという話を聞きます。それは本当なのか、今回は近年のメンズスーツ市場の数値と比較して考えてみましょう。

Webライター、脚本家
  

スーツ回帰?

暑いのでスーツのジャケットを脱ぐビジネスマン

そろそろ気候も春らしくなってきて、あと数ヶ月もすれば夏になります。夏というと社会人の皆さんのファッションはスーツからクールビズへと、よりカジュアルなものへと移行していきます。しかし、最近は夏本番を前にしてスーツの需要が高まってきているという話も聞きます。

クールビズはコーディネートに困る?

クールビズでは半そでやポロシャツ、ノーネクタイといったカジュアルな軽装をすることによって省エネを推進しようということで、ここ数年の間で急速に広まってきました。しかし、仕事の場面によっては暑い季節でもスーツを選ぶ人が増えていると言う話もあります。理由としては、「きちんとした服装をすることによって、お客様の信頼を得ることができる」「ネクタイをすることで気持ちも引き締まる」というものでした。また、クールビズの欠点としてカジュアルなファッションをビジネスシーンにおいて違和感がないようにコーディネートするのが大変だ、という意見もあるようです。しかし、本当にスーツやネクタイに回帰している人は増えているのでしょうか?

ここ数年、メンズスーツ市場は下げ止まり

マーケット・市場

ここで実際に紳士服市場の動向を見てみましょう。矢野経済研究所がまとめた紳士服市場の動向を確認すると、メンズスーツの売り上げは2007年の3099億円から2011年には2100億円と1000億円も減っています。ここからさらに2014年にかけて紳士服市場の売上はほぼ横ばいの傾向にあります。紳士服市場は下げ止まりの傾向こそあれ、好調なようには思えません。数値を見る限りでは、スーツ回帰が起きているとはにわかには考えにくいのではないでしょうか。

そもそもビジネスシーンにスーツは基本

さらにクールビズが当たり前になりつつある昨今でも、本当に大事なビジネスシーンにはスーツ、ネクタイ、Yシャツを着用するのはビジネスマンにとってはマナーとなっています。そのため、わざわざスーツに回帰しているという話には多少の矛盾を感じざるを得ません。

確かに、前述したとおりビジネスにおいてカジュアルなコーディネートが難しい、お客様の信頼を得るためにスーツを改めて買いなおした、という人も中にはいらっしゃると思います。しかし、やはり現在の主流はクールビズ。その中で一部の人が改めてスーツの良さを認識してきているという動きがあるのではないでしょうか。実際に紳士服市場の売上、とくにオーダースーツという項目にのみ焦点を当ててみると、売上が好調になっているということが分かります。

オーダースーツにこだわる人が増えた

オーダースーツの採寸に使う道具

スーツやネクタイの需要が増えているというのは、スーツやネクタイにこだわる人が増えたと言い換えることも出来ます。すなわち、クールビズによってスーツを着る人自体は減っている、もしくは横ばいの状態にある。しかし、「服が好きで、スーツにこだわりたい人は増えている」ということです。近年のスーツ市場におけるオーダースーツのシェアが伸びていると言う事実にもそれが現れているとも言えるでしょう。

しかし、なぜオーダースーツのシェアが伸びているのでしょうか。それは、「自分だけの一着ニーズ」が増えていると言うことが挙げられます。特に20~30代の若い世代の男性の間では、ボタンや裏地といった細かい部分を自分好みに変更して楽しむ人が増加しているそうです。スーツと言うのは基本的に個性が出しにくいものですが、こういったこだわりを取り入れることで楽しむのが若い世代のビジネスマンの流行なのかもしれませんね。

また、40代以上の男性でも最近のトレンドであるスリムなスーツに体系が合わないので、プロに採寸してもらって体型に合ったスーツを作ったり、上下を自由に組み合わせることが出来るスーツを頼んだりといったニーズが増えているそうです。

さらに、昨今では低価格でオーダースーツが作れる環境が増えているということもあり、購買層の裾野が広がっているのもオーダースーツが人気の理由です。特に若手のビジネスマンをターゲットにしたスーツブランドも出てきているほどで、3万円程度でオーダースーツが作れてしまいます。

オーダースーツへの関心が増えているのかもしれない

データを見る限りでは、メンズスーツ市場はここ数年ほぼ横ばいの下げ止まりで、スーツの需要が高まっているとは言い難いかも知れません。しかし、クールビズの際にカジュアルなファッションでコーディネートがしにくいという声があるのも事実ではあるのでしょう。ただ、本当に大事なビジネスシーンではスーツを着用するのはビジネスマンの間では暗黙の了解のようなものが根底にあります。どちらかといえばオーダースーツに対して関心の高い人が増えているのかもしれませんね。

出典:
http://supremo.jp/blog/?p=542
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20120316/1040087/?P=2
http://img.p-kit.com/c-ad/1415015335007652500.pdf
https://www.yano.co.jp/press/press.php/001459

著者:草道 花

Webライター、脚本家
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美容から生活、サブカルチャーまでなんでも詳しいのが自慢、最近の悩みは正月食べ過ぎてダイエットに失敗してしまったこと、ダイエットのコンテンツを執筆しながら、自分でも実践するつもりです。